手元供養と自宅墓はどちらも遺骨を自宅で安置するという点で共通していますが、その目的やスタイルには明確な違いがあります。
まず手元供養は故人の遺骨の一部や遺品を小さな容器やアクセサリーに納めて、身近な場所で祀るという現代的な供養方法です。
一方自宅墓は墓石の代わりに仏壇や専用の納骨スペースを自宅に設けて主に遺骨全体を安置するという、より伝統的な要素を持ったスタイルです。
自宅墓は地方を中心に近年注目され始めた供養の方法でお墓の管理が難しいという現代的な事情から、都市部や集合住宅に暮らす人々にも受け入れられつつあります。
対して手元供養は2000年代に入り、ライフスタイルの多様化や死生観の変化とともに広まりアクセサリーやミニ骨壷といったコンパクトでインテリアになじむアイテムが登場しました。
自宅墓が供養の「場」と機能するのに対し手元供養は供養の「形」との役割が強く、携帯性や個人の自由な祈りのスタイルを重視している点が特徴なのです。
どちらを選ぶかは家族構成や住環境、故人との距離感などによって異なりますがどちらも大切なのは「故人を身近に感じたい」という気持ちです。

















